極光日記

Contabo VPSの紹介

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Contabo とは

いわゆる海外 VPS の 1 つです。シンプルに Linux や Windows のサーバーを借りることができるサービスを提供しています。
Contabo の特徴はその価格で、メモリ 8GB の VPS(Cloud VPS S)を月額 5.99 ユーロ(約 944 円)で借りることができます。
メモリを 8GB にそろえて、Contabo、日本の代表的な VPS であるさくらインターネット、日本のかなり安い VPS(最安?)である WebARENA、海外の代表的な VPS である OVH の 4 つを比較してみました。

Contabo さくらインターネット WebARENA OVH
メモリ 8GB 8GB 8GB 8GB
CPU 4 vCPU Cores 仮想 6Core 6vCPU 4 vCore
リージョン ドイツ 東京 東京 フランスなど各地
ストレージ 50 GB NVMe SSD 400GB SSD 160GB 160 GB SSD NVMe
月額 5.99 ユーロ(約 944 円) 7260 円 2216 円 27.30 ドル(約 3945 円)
参考 Cloud VPS S さくらの VPS WebARENA Indigo OVH VPS

CPU などまで完全に揃えて比較することができず、公平な比較ではないですが、いずれにせよ Contabo が格安であることに変わりないでしょう。
日本だと海外 VPS は敬遠され、WordPress を始めとする Web サービスをホスティングする際にはさくらインターネットや GMO の ConoHa、場合によっては AWS などのクラウドサービスが選択肢になることが多いと思います。確かに後述のように色々難点もあるのですが、ここまで安いと少なくとも個人の利用だと有力な選択肢になるのではないでしょうか。

Contabo の紹介

管理コンソール

これはあって当たり前かもしれませんが、管理コンソールがあります。

管理コンソール

使ったことのない機能も多いのですが、画像中のポップアップに表示されているように、

  • アップグレード(後述)
  • Order Add-On(追加の IP アドレスなど)
  • ストレージの追加
  • VNC による接続

などができ、また、再起動、スナップショットの追加もできます。
SSH 接続できなくなるようなトラブルがあっても、管理コンソールからの操作で大体何とかなります。

アップグレードが可能

Contabo は VPS のアップグレードが可能です。どのプランからどのプランでもという訳には行かないのですが、メモリや CPU が足りなくなったときはより性能の高い VPS に移行することができます。
ダウンタイムは発生しますが、データはそのまま移行できます。個人的に利用したこともあるのですが、特にトラブルなく実行できました。
格安 VPS の中にはアップグレードができないものもある(WebARENA はできないのではないかと思います。できたらすみません)ので、この点は嬉しいです。アップグレードができないとサーバーを新しく借り直す必要があり、データの移行などが面倒です。

リージョンが豊富

Contabo はドイツの会社で最初はドイツにしかサーバーがなかったはずなのですが、どんどんリージョンが増えました。2023 年 4 月にはとうとう東京リージョンも開設されました。
ただし、ドイツ以外のリージョンは料金が割増になります。東京リージョンはこの割増が結構大きく、表にした「Cloud VPS S」プランは月額 5.99 ユーロ(約 944 円)ですが、東京リージョンだと月額 8.99 ユーロ(約 1410 円)になります。
それでも安い方なので、海外ではレイテンシーが問題になる場合は東京リージョンを選択するのも良いかもしれません。

オブジェクトストレージ

AWS S3 互換のオブジェクトストレージもあります。
月額 €2.49 / 250 GB であるため、AWS S3(フランクフルトリージョン、S3 標準、最初の 50TB)が 0.0245USD/GB なので 250GB は約 6.125USD で Contabo の方が安いです。
またデータ転送料も課金されません。

Contabo の注意点

しばしばダウンする

Contabo Server Statusに Contabo のステータス情報が表示されています。
全リージョンの情報が表示されているからかもしれませんが、結構頻繁にメンテナンスすることがわかります。
予定通りのメンテナンスならまだしも、おそらく何らかの異常が発生して突発的にダウンすることもあります。さすがに頻繁といえるほどではないですが、AWS などの業務利用に耐えるクラウドサービスほどの信頼性はないと言わざるを得ません。
個人的な体感だとドイツリージョンでのダウンは少なく、それ以外のリージョンでのダウンが多いように感じます。
趣味や学習のために借りる分には多少ダウンしてもその分安いほうが良いでしょうが、そうでない場合は何らかの備えが必要です。

最低料金が高い

VPS だと最小でも VPS S プランの 4 vCPU Cores 8 GB RAM で €5.99 からになります。
さくらの VPS だとメモリ 512MB で月額 ¥590 からです。
多くの VPS は 1GB 未満のプランから存在します。趣味、学習用途だとメモリ 8GB は持て余すことが多そうです。

前述のオブジェクトストレージも課金は 250GB からになる模様です。(使ってないですが、おそらく 250GB 以下しか使っていなくても €2.49 課金が発生すると思われます)
AWS S3 だと最低課金単位は 1GB からなので、この点は不便で、ある程度まとまったデータを格納することが前提になっています。

管理画面などが英語

当たり前かもしれませんが、日本語による説明は一切ありません。
ただし、ドイツの会社ですが、管理画面などはすべて英語には対応しているため、個人的にはそれほど困りません。