サクソバンク証券の外国株式オプション
作成日
はじめに
サクソバンク証券で「外国株式オプション」の取り扱いが始まっていました。
同種の商品の取り扱いをしているのは日本の証券会社では他にないと思うので、興味をそそられる投資マニアもいるのではないでしょうか。
概要
取引の始め方
サクソバンクで口座を開設していない人はまずその開設をする必要があるはずです。
すでに口座を開いている方は取扱開始のお知らせメールが来ていると思います。 メールには下記のリンクがあります。
このページに記載されているとおりに申し込めば取引が可能になります。
取扱銘柄
サクソバンクのサイト上だと「取扱い銘柄は取引ツールでご確認いただけます」としか書いていないので、これは開設申し込み前から気になりました。
取引が可能になるとツール上から確認できるようになったのですが、取引可能銘柄をここに列挙するのは厳しく、興味がある人は自分で口座を開設して検索したほうが良いです。ただ、主要な銘柄は概ね扱いがある気がします。
いくつかの銘柄についてスクショを貼っておきます。2020年5月16日深夜3時ごろに取得したものです。
アップル
ゴールドマン・サックス
主要なETFのオプションもあります
SPY(SPDR S&P 500 ETF Trust)(2020-05-18満期)
少し違う満期
SPY(2020-05-26満期)
SPYだと限月もたくさんあります。
最近話題の石油ETFもあります。
USO(United States Oil Fund, LP)
ADR銘柄の一部もオプションの取引ができるものがあるようです。
TM(トヨタ自動車)
SNE(ソニー)
トヨタよりソニーのほうが流動性あるようです。
需要があるかわかりませんが、日本株の指数に連動するETFのオプションもあります。
EWJ(iShares MSCI Japan ETF)
その他
詳細な取引ルールは公式のドキュメントを必ず参照してください。
主に次のようなページを参照することになるかと思います。
本来当たり前(?)かもしれませんが、カバードコールだと証拠金は不要になります。サクソバンクでは現物の外国株式も取り扱っているのでこのあたりも面白そうです。
注意事項
外国株式オプションの興味を持つ人ならオプション取引、特にショートが相場によっては凄まじい破壊力をもたらすことは知っていると思います。
そのリスクも当然気をつけなければならないのですが、このようなマイナー商品だと「サービス提供継続リスク」にも注意する必要があります。
サクソバンクは以前FXの「タッチオプション」を提供していたと思うのですが、いつの間にかなくなりました。今回の外国株式オプションも同様にならないか一抹の不安があります。
といってもこれはサクソバンクへの批判とかではなく、需要のないサービスを続けることはビジネス上できません。他の証券会社でも似たようなマイナー向けサービスが終了してしまったパターンはいくつか見てきました。
外国株式オプションはタッチオプションほどではないと思いますが、ニッチ向けの商品になると思うので、継続リスクも念頭に置いておいたほうが良い気がします。サクソバンクで取引できなくなると日本人にとって他の選択肢はIB証券ぐらいしかないのでハードルがだいぶ上がります。サクソバンクにはがんばってサービスを続けてほしいものです……。
感想
外国株式オプションは待ち望んでいたサービスなのですが、ハイリスクなので日本の証券会社では厳しいのかと思っていました。それが売りも含めて自由にできるルールで登場したのは大変ありがたいです。
口座維持手数料などは当然ないので、とりあえず開いておけば利益を得るための手数が増えて良いのでは、と思います。
後追いしてくれる会社が出てくれるともっと良いのですが。
また、アメリカでは今回サクソバンクが取り扱いを開始したような個別株のオプションがかなり取引されているのに対して、日本では個別株オプションの存在感は非常に薄いです。取り扱いをしている証券会社が少なく、自由にショートもできるところは多分日本にはないはずです。また、そもそも流動性がほとんどなく、主要な銘柄でも板は真っ白です。このあたりテコ入れしてほしいですが、日本人個人投資家からの需要もなさそうなので厳しいのでしょう……。